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キャッシュフロー

キャッシュフローとは「お金の流れ」で、主にビジネスにおいて、ある期間に現金や預金がどれぐらい入ってきたか、出て行ったかを表す言葉でビジネスをしていく上でとても大切な事です。


メーカーの仕事は生地などの材料を商社から仕入れて工場で加工を行い最終工程の縫製、他にも付属品の仕入れや内職が伴うことがあり、素材を仕入れてから最終製品になって納品するまでの期間が結構長くかかります。

会社時代は毎月きっちり、支払日が土日祝の時はその前日に支払いを行い(あたりまえのことですが)一方で入金されるのは比較的長い支払いサイトや手形の取引先があり、言い換えれば、どんどんお金は出ていくけれど、なかなか現金化されない。

その為、銀行で一定の枠内で返済しては借入れるという事を繰り返しキャッシュフローはいつも厳しかったものです。


先日観た映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』でも高級ブランド・ディオールのキャッシュフローの大変さがうかがえました。

「主人公のハリス夫人が、ある偶然からドレスの美しさに惹かれ、小さな手帳に収入と支出の数字を記しながら貯めた500ポンドのキャッシュを持って、生まれて初めての飛行機でパリのディオール本店にドレスを買いに行く。保守的で威厳を重んじる支配人に追い返されようとするけれど改革の必要性を感じている会計係には500ポンドの現金が有難い、職人たちははるばるロンドンからドレスを買いに来た家政婦さんにドレスを買わせてあげたい・・・」と言う内容です。

オートクチュールのディオールでは顧客を招いてのショーで注文を受け、顧客の体形にあわせて一点モノのドレスを制作する。その過程で材料の仕入れから職人の手当とキャッシュがどんどん出ていき、完成したドレスが、もし気に入ってもらえなければ一から作り直すこともある。キャッシュが入って来るのは完成品を納品した時。という事でいつもキャッシュフローがマイナスで資金繰りに厳しいことがうかがえました。

映画では夢を決してあきらめないハリス夫人の姿に背中を押された会計係のアンドレが、一般の女性でも買うことが出来る百貨店への展開、オートクチュールのみだったビジネスからの脱却を進言しディオール氏に提案を受け入れられ、その後はおそらくキャッシュフローは改善したことでしょう。


今の僕はというと、会社時代の経験を教訓に常にキャッシュフローを意識しながら余裕をもったビジネスをしているつもりです。

この写真は33年前、1989年12月パリにて

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