ザリガニの鳴くところ
遅まきながらアマプラで「ザリガニの鳴くところ」鑑賞。
6歳の少女がこんなところで、たったひとりで生きて行けないだろう?という疑問がなかなか物語に集中させてくれない、心優しき青年テイトとの鳥の羽根文通も辛気くさく感じながら観ていました。
が、途中から徐々にひきこまれ最後には、湿地の少女とノースカロライナの自然に、すっかり魅了されてしまいました。
すぐに噛みしめるように観た2度目の鑑賞では、村で唯一の味方だった燃料店を営むジャンピン夫妻の優しさに涙が出て、テイトとの鳥の羽根文通に心が震え、年老いたカイアが湿地で生涯を終える時には涙がボロボロ。
この感動が残っている間に原作を読みたくなり、これだけ売れた本だから必ず何冊かあるだろうとブックオフで購入し、一気に読了。
これは単に謎解きのミステリーではなく、ひとりの少女の成長譚であり、差別や環境問題を問う社会派小説であり、アメリカ南部の自然と風土を描いた文学といった、奥行きのある作品。
あとがきにありましたが、全編を貫く要素、それは「美と醜、優しさと残酷さを併せ持つ野生」
なるほど、そういったものにすっかり魅了されたという事なのだな。
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