正絹縮緬風呂敷
今、浜松市秋野不矩美術館で展覧会「加山又造と継承者たち-新たな地平を求めて-」が開催されています。
サラリーマン時代に勤めていた西陣織メーカーが日本画家・加山又造先生と契約し帯や着物を製作していましたので、その関係で僕も風呂敷製作を担当させていただきました。
この写真は、今から30年以上前、その時に作った風呂敷です。
あっ、そうそう今日書きたいのは、「こんな仕事をした」という事では無くて「もう作れなくなる」という事。
仕事で京都市内を車で回っている時、この風呂敷を染めていただいていた工房の前を通るのですが、今は、工場が解体され更地になっています。
日本で数少ない「本板場友禅」の工場、京都で着物を染める京友禅、さらにその中でも型紙を用いて染めるのが板場友禅です。表現する部分よっては刷毛を使用して手描きに近い工程もあります。
需要の落ち込みと同時に職人不足もあり、コロナ禍が廃業に拍車をかけたといえます。
テキスタイル、染色業界では、貴重な技術を持った工場がどんどんなくなっていき、インクジェットなどデジタル技術による製作があたりまえになりつつあります。
これも時代の流れ、やむを得ない部分もあるように思います。
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